700名以上が来場!にっしんパンマルシェはなぜ大盛況だった?集客につながった6つの理由を考察

2026年9月21日〜23日の3日間、寝屋川市・萱島の日新商店街で「にっしんパンマルシェ」を開催しました。
普段はシャッターが閉まっている場所も多い商店街に、3日間で700名を超える方が来場。
開始前から列ができたり、早い時間に完売するお店が続出したりと、関係者も驚くほどの大盛況となりました。
私は日新商店街のクリエイティブパートナーとして、今回のイベントではチラシ制作やホームページでの情報発信などを担当し、イベント当日は3日間スタッフとして現場にも立ちました。
開催の活動実績については別の記事でもご紹介していますが、今回は少し違う視点から。
「なぜ、これだけたくさんの方に来てもらえたんだろう?」
ということを、Webや広報に携わった立場、そして3日間現場で実際のお客様を見ていた立場から振り返ってみたいと思います。
もちろん、集客の理由をひとつに特定することはできません。
「チラシを配ったから700名来た」
「Instagramを頑張ったから成功した」
という単純な話でもないと思っています。
むしろ今回強く感じたのは、ひとつの方法だけに頼らず、
「行きたい」と思える企画があり、
魅力のあるお店があり、
Instagramで知り、
チラシを目にし、
ホームページで詳しく調べ、
地域メディアでも見かける。
そんなふうに、いろいろな場所で情報に触れられる状態がつくられていたこと。
それが大きかったのではないかと考えています。
小さなお店の集客にも共通する部分がたくさんあったので、今回気づいたことをまとめてみます。
理由① そもそも「パン」というテーマが強かった」
まず、そもそもの企画として「パンマルシェ」だったこと。
これはかなり大きかったと思います。


パンって、やっぱり人気なんですよね。
特に今回開催した大阪を含む関西は、パンの購入量が多い地域でもあります。
総務省の「家計調査」によると、2023〜2025年平均の1世帯あたりのパンの年間購入数量は、なんと全国上位5都市を関西の都市が占めています。
1位 堺市 52,737g
2位 大阪市 51,901g
3位 大津市 51,790g
4位 京都市 49,484g
5位 神戸市 49,396g
さらに奈良市も7位に入っており、全国平均が42,398gなのに対して、関西の各都市ではそれを上回るパンが購入されています。
※総務省「家計調査」2023〜2025年平均。二人以上の世帯を対象とした、都道府県庁所在市および政令指定都市別のデータ。
もちろん、このデータだけで今回の集客を説明することはできません。
それでも、普段からパンをよく購入する地域で「いろいろなパン屋さんが集まるイベント」を開催したことは、企画と地域との相性がよかった理由のひとつとして考えられそうです。
イベント集客では、告知方法を考える前に、「そもそも、その企画に行きたいと思ってもらえるか?」が大前提です。
どれだけ広報を頑張っても、企画そのものに魅力がなければ、人を動かすのは難しい。
今回の「パンマルシェ」は、名前を見ただけでも、
「パンがいっぱいあるんやな」
「いろんなパン屋さんのパンが買えそう」
「ちょっと行ってみたい!」
と内容を想像しやすい企画でした。


もともとパンをよく購入する地域で、分かりやすく「パン」をテーマにしたイベントを開催したこと。
これが、今回たくさんの方に足を運んでもらえた土台のひとつだったのではないかと思います。
理由② 人気のパン屋さんが「そのお店自体の集客力」を持っていた
そして、現場に3日間いて特に感じたのがこれです。
今回出店してくださった中には、すでにたくさんのファンがいるパン屋さんが何店舗もありました。
「このパン屋さんが出るから来ました」
「いつも買っているお店が出店するから」
「今日はこのお店がお目当てです!」
というお客様が、本当に多かったんです。
人気のお店には10時の開始前から列ができていました。
これはすごいなと思いました。
一般的な地域のお店の場合、
「近所だから寄って帰ろう」
「通り道だから買っていこう」
という来店も多いと思います。
でも、ファンがついているお店は違います。
「ちょっと遠くても買いに行きたい」
「売り切れる前に行きたい」
という理由で、お客様のほうからお店を目指して来てくれます。
つまり、お店自体が目的地になっているんですよね。
マルシェの集客力だけではなく、出店者さん一店舗一店舗が持っている集客力が集まったこと。
これは今回の大きな成功要因だったと思います。
理由③ 人気店を見て感じた「Instagramで情報がわかる」ことの大切さ
今回の出店者さんを見ていて、もうひとつ興味深かったことがあります。
遠くからでもお客様が買いに来るようなお店は、Instagramでこまめに発信されているところが多い印象がありました。
もちろん、すべてのお店に当てはまるわけではありません。
でも、
「今度ここに出店します」
「今日はこんなパンがあります」
「営業時間は○時からです」
「お店はここにあります」
という情報が普段から発信されている。
だからお客様も、
「今度このマルシェに出るんや」
「じゃあ行ってみよう!」
と動きやすいんですよね。
ここで大切なのは、単純に「Instagramをやっているかどうか」ではないと思います。
Instagramのアカウントがあっても、
営業時間がどこに書いてあるかわからない。
場所がわからない。
どんな商品があるのかわからない。
最近営業しているのかわからない。
という状態では、お客様は調べる途中で離れてしまうかもしれません。
逆に、
「どんなお店?」
「何が買える?」
「どこにある?」
「いつ開いている?」
がすぐわかれば、お客様が「行ってみたい」と思ったその気持ちを、実際の来店につなげやすくなります。
今回の出店者さんは、ホームページを持っているお店は3店舗ほど。
ECサイトを持っているお店も3店舗ほどで、多くのお店はInstagramをメインに情報発信されていました。
小さなお店の場合、必ずしも最初から大きなホームページが必要とは限りません。
Instagramだけでもファンをつくり、しっかり集客できているお店はあります。
だからこそ、
まずは今あるInstagramを、「投稿する場所」から、「お客様が来店するために必要な情報がわかる場所」へ整えてみる。
プロフィール、ハイライト、固定投稿、投稿内容などを少し整理するだけでも、変えられる部分はたくさんあると思います。
理由④ 出店者さんのInstagramから情報が広がった
パンマルシェの公式Instagramでも、開催までに何度も情報を発信しました。
イベントのお知らせだけではなく、特に力を入れたのが出店者さんの紹介です。
そして投稿すると、出店してくださるお店の皆さんが自分のInstagramでも紹介・シェアしてくださいました。
これが大きい。
各店舗の紹介のInstagram投稿はこんな感じです↓


日新商店街のInstagramだけで発信すれば、その情報が届くのは基本的には日新商店街をすでに知っている方や、その周辺の方が中心です。
でも、
日新商店街 → 出店者さん → そのお店のフォロワーさん
と情報が広がることで、それまで日新商店街を知らなかった人にもイベントを知ってもらえます。
しかも、その情報を届けてくれるのは、その人がすでに好きでフォローしているお店です。
「○○さんが出店するなら行ってみようかな」
という動機にもつながります。
マルシェのように複数のお店が集まるイベントでは、「主催者だけで集客する」のではなく、出店者さんと一緒に情報を広げていくことが、とても重要なのだと実感しました。
理由⑤ 1,100枚のチラシで「近くに住む人」へ届けられた
Webの仕事をしている私ですが、今回改めて、
「地域の集客では、紙ってやっぱり強い!」と思いました。

表面は、「パン!」がわかりやすいデザインに。
裏面は、3日間の出店者情報をわかりやすいデザインに。
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パンマルシェでは、約1,100枚のチラシを印刷。
告知を始められたのはイベント開催の約1週間前と、かなり直前でした。
それでも、
- 商店街周辺のお宅へのポスティング
- 周辺地域の自治会を通した配布や掲示板への掲示
- 萱島駅周辺や近隣のお店への設置
- 出店者さん、協力店舗、関係者の皆さんからの配布
- 日新商店街のイベント会場前にも「ご自由にお取りください」とチラシを設置
などをオーナーさんが中心となって動いてくださいました。
そのチラシが、補充しても補充してもなくなる。
最終的には約1,100枚、すべてなくなりました。
当日は、そのチラシを持って会場へ来てくださった方も。
中には、チラシに掲載された出店者さんを見ながら、
「ここに行きたい」とお目当てのお店に丸をつけて来てくださった方までいました。
これは制作した側としても、ものすごく嬉しかったです。




今回のチラシでは、
- 「パンマルシェが開催される」ということが一目でわかること
- どんなお店が、いつ出店するのかわかること
- イベントの楽しそうな雰囲気が伝わること
などを意識してデザインしました。
実際に、
「かわいいチラシやね」
「パンマルシェってすぐわかる」
「出店するお店がわかりやすい」
という声もいただきました。



普段、仕事はWeb上で完結しているので、面と向かって嬉しい感想をいただけるのは、また違った喜びがありました!
チラシは「作って配ればいい」のではなく、見た人が数秒で、
「何のイベント?」
「いつ?」
「どこ?」
「私が行きたいお店は出る?」
を判断できることが大切です。
そして地域密着のお店やイベントでは、Instagramを普段あまり見ない方にも情報を届けられる。
Webと紙はどちらか一方ではなく、届けたい相手によって使い分けることが大切だと改めて感じました。




理由⑥ ホームページが「詳しく確認する場所」になった
今回、ホームページにもパンマルシェの専用記事を作りました。
Instagramやチラシは、「イベントを知ってもらう」のが得意です。
一方で、そこにすべての情報を載せようとすると、ごちゃごちゃしてしまいます。
そこでホームページには、
開催日時や場所、アクセス、出店者さん、日ごとの出店情報など、イベントへ行こうと思った方が詳しく確認したい情報をまとめました。


実際に開催前には、「にっしんパンマルシェ」や「パンマルシェ」といった検索からホームページへアクセスされていました。


ここも、小さなお店のWeb集客を考えるうえで大切なポイントだと思います。
お客様は、ひとつの媒体だけを見て来店を決めるとは限りません。
だからこそ、
「Instagramで興味を持ってもらい、詳しい情報はホームページで確認してもらう」
という役割分担ができると、とても使いやすくなります。
ホームページとInstagramは競合するものではなく、それぞれの得意なことを活かしてつなげるもの。
今回のパンマルシェでも、その役割を実感しました。
理由⑦ 地域メディア「ねやつー」の力が大きかった
そして、今回明らかに大きな影響があったのが、寝屋川市の地域情報メディア「寝屋川つーしん(ねやつー)」への掲載です。
開催前に「日新商店街でパンマルシェあるよ〜」とイベントを紹介していただきました。


掲載された日は、日新商店街のホームページへのアクセスも一気に増えました。


さらに当日、実際に来場された方から、
「ねやつーを見て来ました」
という声を何度も聞きました。
Web上の数字だけではなく、現場でもその影響を実感できたんです。
地域のイベントやお店にとって、地域メディアとの相性はとてもいいと思います。
全国の何万人に届くことより、
「寝屋川に住んでいる人」
「萱島の近くにいる人」
「週末どこかへ行こうと思っている人」
に届くほうが、実際の来店につながることもあります。
フォロワー数やアクセス数の「大きさ」だけを見るのではなく、
「自分のお客様になりそうな人が、そこにいるか?」という視点も大切です。
成功した理由は「ひとつの集客方法」ではなかった
今回を振り返って一番感じるのは、
「これをやったから700名以上来た」
というひとつの正解はない、ということです。
- パンという企画自体の魅力があった。
- ファンを持つ出店者さんが集まってくださった。
- 出店者さんがInstagramで情報を広げてくださった。
- 地域の方にはチラシで情報が届いた。
- Instagramでイベントを何度も知ってもらった。
- ホームページには詳しい情報があった。
- 地域メディアにも取り上げていただいた。
- 地域や関係者の皆さんがチラシを配ったり、掲示したり、口コミで伝えたりしてくださった。
これらが重なった結果だったのではないかと思っています。
集客というと、
「Instagramを頑張らなきゃ」
「毎日投稿しないと」
「ホームページを作らないと」
と、ひとつの方法に答えを求めてしまいがちです。
でも、本当に考えたいのは、
「お客様は、どうやってこのお店を知って、何を確認して、来店を決めるんだろう?」
ということ。
そこから逆算すると、必要なものが見えてきます。
小さなお店こそ「全部頑張る」必要はないと思う
今回たくさんのパン屋さんや小さなお店と関わって、改めて感じたことがあります。
小さなお店って、本当に忙しいです。
商品をつくる。
仕込みをする。
接客をする。
仕入れをする。
片付ける。
経理もする。
そのうえ、
写真を撮って、
Instagramを投稿して、
Canvaで画像をつくって、
営業時間を更新して、
イベントの告知をして……。
全部自分でやろうとしたら、そりゃ大変です。
Canvaを使えば自分でチラシをつくれる。
Instagramも自分で投稿できる。
ホームページも頑張れば自分で触れる。
今は「自分でもできること」が本当に増えました。
でも、
「できる」と「自分でやったほうがいい」は、必ずしも同じではありません。
1枚の投稿画像をつくるのに1時間かかって、その間、本来なら商品の仕込みができた。
Instagramを整えたいと思いながら、半年そのままになっている。
イベント前にチラシをつくらなきゃと思いながら、営業が忙しくて告知が直前になってしまう。
そんなこともあると思います。
全部を完璧にする必要はありません。
- まずはInstagramのプロフィールをわかりやすくする。
- 営業時間や場所をすぐ確認できるようにする。
- 商品の魅力が伝わる投稿を増やす。
- イベントに出るなら、必要な情報が一目で伝わる告知を用意する。
- 情報が増えてきたら、ホームページにまとめる。
今のお店に必要なところから、ひとつずつ整えていけばいいと思います。
「いいお店」だからこそ、ちゃんと見つけてもらえる状態に
今回のパンマルシェでは、素敵なお店に本当にたくさん出会いました。
商品がおいしい。
店主さんが素敵。
こだわりがある。
すでにたくさんのファンがいる。




一方で、Webを見てみると、
「こんなに素敵なお店なのに、営業時間がすぐ見つからない!」
「場所、どこやろう?」
「もっと商品を見せたら絶対行きたくなるのに!」
と思うこともありました。
それが、すごくもったいない。
Web集客というと、フォロワーを増やしたり、バズる投稿をつくったりすることをイメージするかもしれません。
でも、小さなお店の場合はまず、
「気になってくれた人が、迷わず来店できる状態をつくる」
だけでも大きな一歩です。
どこにあるのか。
いつ開いているのか。
何が買えるのか。
どんな人がやっているのか。
初めて行っても大丈夫そうか。
それが伝われば、「気になる」が「行ってみよう」に変わりやすくなります。
今回のパンマルシェを通して、改めて、
いい商品やお店の魅力をつくることと、それをちゃんと「伝わる形」にすること。
どちらも揃って初めて、人が動くのだと感じました。




Webもチラシも、目的は「人に動いてもらうこと」
私は普段、ホームページやWebまわりのサポート、デザイン制作などをしています。
今回、パンマルシェのチラシやホームページをつくり、その先で実際に700名以上の方が日新商店街へ来てくださる様子を3日間現場で見ることができました。
- チラシを持って来てくださった方。
- Instagramでお目当てのお店を見つけた方。
- 検索してホームページを見てくださった方。
- ねやつーの記事をきっかけに来てくださった方。
いろいろな入口がありました。
だから、Webもチラシも「つくること」がゴールではありません。
その先にいる人に情報が届いて、
「行ってみよう」
「買ってみよう」
「問い合わせてみよう」
と動いてもらうこと。
そこまで考えて情報を整理し、伝わる形にすることが、デザインやWebの役割なのだと思っています。




今回のパンマルシェは、そのことを現場で改めて実感できた、とても貴重な機会になりました。
そして、小さなお店だからこそできる情報発信や、小さなお店に合ったWebの使い方も、まだまだたくさんあると思っています。
全部頑張らなくても大丈夫。
まずは、お店の魅力が「ちゃんと伝わっているかな?」というところから、一度自分のお店のWebや発信を見直してみる。
そこから始めてみてもいいかもしれません。







