BtoCのWeb接客は「親切心」が成約率UPの鍵

以前、クライアント様の「不動産売却」のLP(ランディングページ)を制作した際、改めてエンドユーザーのための設計の重要性を痛感しました。

LP制作の背景

今回のLPは、不動産会社であるクライアント様が、これから不動産を売却したいと考えている方向けに、無料相談の申し込みを促すためのページです。

制作中に浮き彫りになった課題

制作にあたり、クライアント様にサービス内容などを詳しくヒアリングしたのですが、そこで多くの専門用語(業界用語)や、認識のズレが生じていると思われる表現が散見されました。

専門用語という言葉の壁

エンドユーザー目線での制作

私自身も家を持っているため、「もし自分が家を売るなら?」と想像できたおかげで、普段の制作よりもエンドユーザーである素人目線を大切に制作を進められました。
その結果、多くの言葉=専門用語の壁に気づくことができました。

お客様の離脱の原因

専門用語などに引っかかるたびに「もう少しわかりやすく表現できないか?」と試行錯誤する中で、ふと気づいたことがあります。

もし今、不動産売却を考えてこのページを見ている人がいたら、果たしてここまで調べるだろうか?調べてもわからない言葉が続くうちに、読むのが嫌になり、ページから離れてしまうのではないか?と。いか?と。

自身の経験からの気づき

マイホーム購入時の苦い経験

私自身、マイホーム購入時に土地のトラブルに遭遇し、手続きや法律関係を調べたり、弁護士とやり取りしたり、法務局に行ったり、交渉内容をまとめたりと、慣れないことばかりで大きなストレスを抱えました。

ユーザーの状況を想像する

不動産を売却する理由は人それぞれですが、主な動機は相続、住み替え、離婚、ローン支払い困難など、住み替え以外はネガティブな理由であることがほとんどです。
そして、手続きの中で誰もが「なるべくトラブルなくスムーズに進めたい」と願っているはずです。

精神的に落ち込んでいたり、心身ともに疲れている状況で、情報収集の際に難しい言葉や知らないことが次々と出てきたら、誰でも煩わしさを感じるのではないでしょうか。

クライアント様のコンセプトとLPに落とし込むべきこと

今回のクライアント様のコンセプトは、「お客様に寄り添い、丁寧で誠実な対応をする」というものでした。

このコンセプトを体現するためには、ページのコンテンツのわかりやすさはもちろんのこと、デザインや見せ方においても「丁寧さ」や「親切さ」が直感的に伝わるように工夫することが重要です。

LPの構成段階から、すでに「接客」が始まっていると言っても過言ではありません。
それほど、デザインや構成、文章の内容で丁寧さを表現する必要があるのです。

伝えたいことと知りたいことの乖離

ズレているポイント

クライアント様が伝えたい内容と、エンドユーザーが知りたい内容には、しばしば乖離が見られます。

よくある例としては、クライアント様はサービスの詳細や機能面をアピールしたいのに対し、エンドユーザーは「そのサービスで自分の悩みが解決できるのか?」「どんな未来が待っているのか?」といった情報を求めている、というケースが挙げられます。

埋めるべきギャップ

サービスを提供する側は、どうしても業界のプロであるため、サービス内容に精通しています。
しかし、エンドユーザーとの間には知識量に大きな差があることを認識し、利用する側の知識レベルに合わせたわかりやすい文章を作成する必要があります。

提供側からすると、「ここまで噛み砕く必要があるのか?」「回りくどすぎないか?」と感じるかもしれません。しかし、エンドユーザーは困っているからこそサービスを利用するわけで、BtoCのWeb接客においては、特にこの点に注意が必要です。

LP以外でも重要なエンドユーザー目線

今回の例はLPでしたが、ホームページ制作全般においても、エンドユーザー目線での設計は非常に重要です。

ホームページへの導線設計や、ホームページに訪れてから問い合わせに至るまでの導線設計など、あらゆる場面でエンドユーザーの視点に立つことが求められます。

違和感なくスムーズに導線を辿り、問い合わせまでたどり着けるような設計は、成約率アップにもつながります。

まとめ

結論として、エンドユーザーのことを徹底的に考えた設計こそが、ホームページ制作において最も重要な要素であると言えます。